数多くの悩める人たちを導いた
「人生を変える授業」を再現
哲学エンタメ教養小説!
本の読み方から人類の歴史まで

発行日:2025年4月23日 ISBN:978-4-41-323400-9
モニター読者の声
M.D.さん
進むために悩むことそのものが、実は大事なことなんだと感じさせてくれる本です。
(30代・男性/大学教員)
博士課程でテーマを決められず、何度も方向転換を繰り返した自分の過去と、登場人物たちの迷いや葛藤が自然と重なりました。
進路を決めきれず、どこかに落ち着きたいと思いながらも、心から納得できる対象に出会えないまま焦っていたあの頃の感覚が、読んでいるうちに何度もよみがえってきました。
この本は、「自分の知らなさ」に向き合うことの怖さと、それを乗り越えた先に開けていくものを、対話形式で丁寧に描いてくれています。哲学や思想の話が中心ではあるものの、特別な知識がなくても、自分の悩みに置き換えて読めるのが魅力だと思います。
学生や若手社会人に限らず、すでに仕事に就いている人にとっても、「自分はこのままでいいのか」とふと立ち止まったとき、手に取る価値のある一冊だと思いました。進むために悩むことそのものが、実は大事なことなんだと感じさせてくれる本です。
T.Y.さん
優しくも容赦のない問いかけの連続に、何度も立ち止まりながら、読み終えたときには少し肩の力が抜けていました。
(20代・女性/研究職)
まるで自分が「ヘーゲル先生」の授業に参加しているような感覚で読み進めました。
登場人物の会話がとてもリアルで、特に先生の語り方に、以前お世話になった指導教員の言葉遣いが重なり、懐かしさと緊張感が入り混じるような不思議な読書体験でした。
読んでいると、内容そのものよりも、自分の過去の選択やこれまで考えてきたこと、自分の悩みの在りかなどに、ふと意識が引き戻されることが何度もありました。「読みながら、自分自身のことを考えてしまうのはよくない読み方かもしれない」と作中でも触れられていましたが、私はまさにそんな読み方をしてしまいました。でも、それだけこの本が自分にとって「読むべきタイミングだった」のだと思います。
研究という仕事柄、日々問い続ける姿勢は大切にしてきたつもりでしたが、この本はもう一段深いレベルで、「自分自身への問いかけ」の必要性を教えてくれました。優しくも容赦のない問いかけの連続に、何度も立ち止まりながら、読み終えたときには少し肩の力が抜けていました。
U.Tさん
哲学は、遠い話ではなく、今の自分にこそ必要な問いを投げかけてくるものなのだと、人生で初めて実感した。
(30代・男性/自営業)
学生時代から哲学にはなんとなく関心があったが、難解なイメージが先に立って、本格的に読もうと思ったことはなかった。この本は、その敷居を自然と取り払ってくれた。
登場人物との会話形式で進んでいくため、読みながら自分の考えが問われているような感覚になる。
特に印象に残ったのは、「自分の知らないこと」が自分を動かす原動力になる、という指摘。仕事に慣れ、立場も安定してきたこの年齢で、あらためて「自分は何をやりたいのか?」と問われると、言葉に詰まってしまう。だけど、その空白と向き合うことを避けてきたのは自分だったと気づかされた。
哲学は、遠い話ではなく、今の自分にこそ必要な問いを投げかけてくるものなのだと実感した。静かに背中を押されるような読書体験だった。
S.M.さん
きっとこの本は、頑張りすぎて疲れてしまったときや、立ち止まってこれからを考えたいときに、そっと背中を押してくれると思います。
(30代・女性/フリーランス)
読んでいる間、ずっと「困っている人にそっと寄り添ってくれるような本だな」と感じていました。
説教くささはまったくなく、でも甘やかすわけでもない。対話のかたちで進んでいくから、自分の中にあるモヤモヤと自然に向き合う流れになっていて、読んでいてとても安心できました。
特に印象的だったのは、「今の自分のままで本当にいいのか」と問いかけられたような感覚です。仕事でも、日々の生活でも、なんとなくこなしていることが多い中で、自分が何を大切にして生きていきたいのか、少し立ち止まって考える時間になりました。
この本に出てくる偉人たちは、みんな最初から「すごい人」だったわけではなく、それぞれ悩み、迷いながらも自分の言葉や態度を持とうとしていた。そんな彼らの姿を、ヘーゲル先生とのやりとりを通して知ることで、「私も偉人の本、読んでみたいな」と思えたのが不思議です。
きっとこの本は、頑張りすぎて疲れてしまったときや、立ち止まってこれからを考えたいときに、そっと背中を押してくれると思います。
あらすじ
社会人として数年が経ち、ふと「このままでいいのか」と悩み始めた僕。
そんな時、高校時代の親友・小林から「一緒に何か大きなことをやらないか」と誘われる。
軽く断ったものの、その言葉が頭から離れず、次第に自分の人生を見つめ直すようになる。
答えを求めて訪れたのは、幼い頃から親しんできた哲学者・ヘーゲル先生の書斎。
先生は「人生には、山を登る人生と麓から眺める人生がある」と語り、悩みこそが可能性の種であると示してくれた。
「自分はこのままでいいのか?」
「本当にやりたいことは何なのか?」
先生との対話を通じて、僕は少しずつ、自分だけの「人生の羅針盤」を見つけていく――。



原案・著者の紹介
原案:今野雅方
1946年宮城県生まれ。東北大学建築学科、早稲田大学大学院(仏文学)修士修了。ミュンヘン大学東アジア研究所専任講師を経て、現在、NPO日本論文教育センター代表(www.globe-npo.org)。 50年以上にわたりヘーゲル研究に取り組む一方、駿台予備学校論文科講師として、長く受験生の指導にあたった。歴史上の様々な思想家の文章を題材とした講義は、受験対策にとどまらず生徒の将来を見据えたもので、「人生を変える授業」として名高い。OG/OBには、経営者から大学教授、大手会社員からベンチャー社員、物書きから整体師など様々な人がいる。
著書に『深く「読む」技術』(ちくま学芸文庫)、『考える力をつける論文教室』(ちくまプリマー新書)、『英語論文講義』(駿台文庫)、『英語論文問題の解き方』(研究社)、『ドイツ文化事典』(丸善出版)(「ヘーゲルの弁証法」の項 執筆)、訳書に、アレクサンドル・コジェーヴ『ヘーゲル読解入門 『精神現象学』を読む』(共訳、国文社)、ドミニック・オフレ『評伝・アレクサンドル・コジェーヴ』(パピレス)、ジャン・ジロドゥ著『ベタニ 罪の天使』(縄田靖子共訳、ノンブル社)等がある。
著者:行方順之介
1986 年千葉県生まれ。早稲田大学人間科学部で人工知能を学び、卒業後は不動産管理会社に就職するが、アメリカ留学時に見たフランク・ロイド・ライトの建築を忘れることができず、建築の道に進むことを決意。デザイン事務所Design Office Stet の代表を務める。今野雅方氏に駿台予備校で出会い、その後現在まで師事。今野氏から学んだことが現代人の抱える課題を解決する手助けになることに気づき、多くの人に伝える目的で執筆を開始。今野氏の授業の教材を原案としながら、その後も対話を積み重ね、10年近い月日をかけて、初の著作となる本作を完成させた。

著者からのメッセージ
誰もが“自分の可能性”を見失いがちな時代に生きている
たとえば今日も、満員電車の中で「このままでいいのかな」と思いながら、なんとなく日々を過ごしている人がいるかもしれません。
私自身も、かつてはそうでした。
不満や違和感はある。でも、何を変えればいいのかはわからない。
そんな曖昧な霧のような不安は、川底に貯まる砂のように、心を塞いでいくものです。
この本は「あなたの心の中にある、まだ言葉になっていない問い」にそっと光をあてるために書きました。
歴史上の偉人たちとの対話を通じて「自分とは何か」「人間とは何か」、私たちはどのように考え、どのように歩んでいけるのか。
誰でも一度は疑問に持ったことがあるこの問いを、先人たちの生き方に触れながら、読者であるあなた自身が、自分の足で考え、自分の視点で世界を見る旅に出てほしい。
自己分析でも、感情に寄りすぎた“やりたいこと探し”でもない、歴史や他者とのつながりの中で見つけていく、自分だけの「羅針盤」。
そんなものが、あなたの人生のどこかで、静かに力を持ってくれることを願って。
著者:行方順之介