「迷い」を自分の言葉で捉え直す
「なんとなく不安」で終わらせず、自分は何に迷い、何を大切にしたいのかを考えるきっかけになります。
ヘーゲル先生の自己啓発の教室
「自分の人生、このままでいいのか」
そう思ったことがある人へ。

Amazonカスタマーレビュー
12件の評価/2026年9月15日時点
日本経済新聞「活字の海」掲載
2025年6月14日
自己啓発本を読んだ直後は、少し前向きになる。ところが、月曜日の朝になれば、またいつもの生活に戻っている。
転職したほうがいいのか。今の仕事を続けるべきなのか。結婚、家族、お金、やりたいこと。何かを変えなければいけない気はする。でも、「そもそも何が問題なのか」さえ、うまく言葉にできない。
「もっと自分らしく」
「好きなことを仕事に」
「やりたいことを見つけよう」
そんな言葉を聞くほど、逆に焦ってしまうことはありませんか。
やりたいことが分からない自分がおかしいのか。
何かを成し遂げていない人生は失敗なのか。
「このままでいいのか」という悩みにも、実は、歴史があります。
「自分らしく生きたい」「自分の人生は、自分で決めたい」。そんな問いに悩んだのは、私たちが最初ではありません。漱石、デカルト、ヘーゲル、ユング——先人たちの人生と思想を借りながら、自分で判断するための羅針盤をつくる。
この本は、そのための一冊です。
主人公とヘーゲル先生の対話を追いながら、夏目漱石、ホイジンガ、デカルト、ヘーゲル、ソクラテス、竹内敏晴、ユング、エリクソンらの著作と人生を読み、自分自身へ戻ってきます。
この本は哲学の教科書でも、成功法則のリストでもありません。物語を読み進めるうちに、気づけば「自分ならどう考えるだろう」と、読者自身が授業へ参加してしまう。そんな一冊です。
「人生がすぐ変わる」とは言いません。けれど、迷ったときに何度でも立ち戻れ、考えるための足場を持ち帰ってもらうことを目指しています。
「なんとなく不安」で終わらせず、自分は何に迷い、何を大切にしたいのかを考えるきっかけになります。
著者の時代や人生まで想像しながら読むことで、先人の経験を自分の問題を考える材料として使えるようになります。
個人的に見える悩みも、歴史の中で繰り返されてきた問いだと知ると、少し距離を取って考えられるようになります。
まずはAmazonの無料サンプルをご確認ください。
「この人物について、もう少し知りたい」「この読み方で合っているのだろうか」。本を読みながら生まれた疑問や感想は、Xから著者に送っていただけます。
※すべての質問への個別回答を保証するものではありませんが、いただいた質問は今後の記事や発信の参考にもします。
本の内容や読書法について聞いてみたいことがあれば、著者・行方順之介のXへどうぞ。
Xで著者を見る →主人公の「悩み」と登場する思想家

主人公の「このままでいいのか」という問いを、個人的な弱さではなく、近代以降の人間が抱えてきた歴史的な問いとして読み直します。

一人で答えを出そうとするのをやめ、過去の著者を「相談相手」にする読み方へ。ここで本作の読書術が始まります。

知識を増やすだけでは、自分の人生への確信は得られない。現実との関わりの中で、自分の言葉を探していきます。

他者との衝突を避けるのではなく、そこから自分を知る。歴史と対立という視点から、人間関係と自己理解を考えます。

知らないことを認める怖さと、その先に生まれる空白。ごまかさずに考えるとは何かを扱います。

言葉を失い、価値観が崩れた経験から、それでも自分の言葉を取り戻していった人生を読みます。

人は見たいものだけを見ている。事実と判断を分け、無意識を含めて決断するとはどういうことかを考えます。

「自分とは何者か」という問いを、短期間で答えを出す問題ではなく、時間をかけて引き受ける人生の課題として考えます。
短い推薦コメントではなく、どんな状態で読み、何が自分と重なり、何を考えたのか。読者自身の体験をできるだけそのまま紹介します。
博士課程で研究テーマを決められず、方向転換を繰り返していた時期がありました。作中の登場人物たちの迷いを読んでいると、その頃の自分と何度も重なりました。
進路を決められなかった頃の焦りや、「知らない自分」を直視する怖さまで思い出しました。でも、物語と対話の形だから、哲学の専門知識がなくても、自分自身の問題として読めたんです。
専門的に学んできた立場から読んでも、凝り固まっていた見方をほぐされるような、新しい視点がありました。
学生だけではなく、すでに仕事をしている人が「このままでいいのか」と立ち止まったときにも、読んでほしい本だと思います。
ヘーゲル先生の授業に、自分も参加しているような感覚で読みました。先生の語り方には、かつての指導教員を思い出すところもありました。
内容を理解するだけではなく、自分の過去の選択や、いま抱えている悩みへ何度も意識が戻っていきました。
問い続けることには慣れていた。でも、「自分自身を問う」ことは、まったく別でした。
読み終えたとき、何かの正解を得たというより、少し肩の力が抜けた気がしました。
学生時代から哲学には興味がありました。でも、難しそうという印象が先に立って、本格的に読むことはありませんでした。
この本は会話形式で進むので、思っていたよりずっと入りやすかったです。とくに「自分の知らないこと」が自分を動かす、という考えが強く残りました。
仕事にも慣れ、立場も安定してきたのに、「本当は何をやりたいのか」と聞かれると答えられない自分がいました。
その空白をずっと避けていたのだと思います。哲学が、知識ではなく、自分の生活について考えるものとして初めて身近になりました。
困っている人に、そっと寄り添ってくれるような本だと感じました。
会話形式なので、答えを押しつけられている感じがありません。読んでいるうちに、自分の中にあるモヤモヤへ自然に意識が向いていきました。日々をなんとなくこなしていた自分が、何を大切にしたいのかを考える時間になりました。
登場する偉人たちも、最初から完成した「すごい人」ではなく、迷いながら自分の言葉を持とうとした人として見えました。
読み終えたあと、「自分も偉人の本を読んでみたい」と思ったことが、自分でも意外でした。
たとえば今日も、「このままでいいのかな」と思いながら、仕事へ向かっている人がいるかもしれません。
不満があるわけではない。今すぐ辞めたいわけでもない。でも、何かが引っかかっている。私自身にも、そういう時期がありました。
私は今野先生から、歴史上の思想家たちを「昔の偉い人」としてではなく、自分と同じように悩み、考え、言葉を探した人として読む方法を教わりました。そのとき、読書は知識を増やすことではなく、人生を考えるための相談相手にもなるのだと知りました。
この方法を、哲学に詳しい人だけのものにしたくない。
そう考えて、今野先生の授業を原案にしながら対話を続け、物語として読める形へ何度も組み直しました。完成までに、10年近い時間がかかりました。
この本が「あなたはこう生きるべきだ」と答えを渡すことはありません。ただ、まだ言葉になっていないあなた自身の問いに、小さな光を当てることはできるかもしれない。
歴史や他者とのつながりの中から、自分だけの羅針盤を見つけていく。その旅を、本の中で一緒に歩いてもらえたらと思っています。

384ページ|四六判 並製|青春出版社|2025年4月23日発売
ISBN:978-4-41-323400-9
答えをもらうのではなく、先人の肩を借りながら、自分の言葉で考えていく。その最初の一歩として、この本を開いてみてください。
Amazonで無料サンプルを読む・購入する →